冬のあいだ何度か雪下ろしをした屋根を、春から一度も見ていない。そのまま、また雪の季節を迎えようとしていないでしょうか。雪下ろしのあとの屋根は、下から見ただけでは分かりにくい傷みを抱えていることがあります。結論からお伝えすると、確かめるのは地上から見える範囲にとどめ、自分では屋根に上がらないこと。そのうえで、気になる所があれば雪が降る前に点検を頼むのが安全です。この記事では、雪下ろしのあとの屋根で起きやすいこと、地上から見られる場所、点検を頼む時期、点検をきっかけにしたトラブルへの備えを順に整理します。富山県で屋根瓦の工事を自社で手がける新和工業はうすりぺいるがまとめました。
雪下ろしのあと、屋根で起きやすいこと
雪下ろしのあとの屋根に残りやすいのは、瓦のずれや割れ、棟(屋根のてっぺん)まわりの傷み、軒先と雨どいの変形です。原因は、雪の重さと、雪下ろしの作業そのものの2つに分けて考えると整理しやすくなります。
雪の重さで起きること
屋根に積もった雪は、降り足すたびに重さが増え、時間がたつと締まって固くなります。その重さは屋根全体にかかりますが、傷みとして表に出やすいのは、もともと弱っていた所です。棟の瓦を固定している漆喰(しっくい)が崩れかけていた、瓦を留める部分がゆるんでいた、といった所に負担が集まると、瓦がずれたり、棟の線が波打ったりすることがあります。
軒先では、屋根から滑ってきた雪の重さが雨どいにかかります。雨どいが外側に開く、傾いて水が流れなくなる、留め金具が曲がる、といった変形は、雪が消えてから気づくことが多い傷みです。
雪下ろしの作業で起きること
スコップやスノーダンプの先が瓦に当たると、瓦が欠けたり、重なりがずれたりすることがあります。屋根の上を歩くときの足の置き場によっても、瓦に力がかかります。ご自分で下ろした場合も、人に頼んだ場合も、屋根の雪が消えてから、地上から一度状態を見ておくと安心です。
冬に起きる水の入り方「すが漏れ」
雪の多い地域では、屋根の雪が融けた水が軒先で凍り、その氷が水の流れをせき止めて、行き場を失った水が瓦の重なりなどから入り込むことがあります。この現象は「すが漏れ」と呼ばれ、屋根材が割れていなくても起きうるのが特徴です。冬の終わりに天井や押し入れにシミが出た場合、雨の日の雨漏りとは原因が違うことがあるので、どの時期に出たシミかを覚えておくと、あとで原因を探すときの手がかりになります。
地上から見られる場所と、見るところ
屋根の状態は、地上からでもある程度つかめます。屋根の雪が消えてから、家のまわりを一周して、次の表の場所を見てください。屋根に雪が残っているうちは、落雪のおそれがあるので軒下に近づかないでください。スマートフォンのカメラで拡大して撮っておくと、あとで見比べることもできます。
| 場所 | 見るところ | 気にしたいサイン |
|---|---|---|
| 棟(屋根のてっぺん) | 離れた所から見て、棟の線がまっすぐ通っているか | 線が波打っている、一部が下がって見える |
| 瓦の並び | 瓦の列がそろっているか、色の違う所がないか | 1枚だけ浮いている、すき間が見える |
| 軒先と雨どい | 雨どいの傾き、金具の曲がり、外れ | 雨の日に雨どいからあふれる、途中から水が落ちる |
| 家のまわりの地面 | 雪が消えたあとに落ちている物 | 瓦のかけら、白い漆喰のかけら、金具 |
| 室内 | 2階の天井、押し入れの天井、窓の上の壁 | シミ、クロスの浮き、カビくさいにおい |
2階の窓から屋根が見える家でも、窓から身を乗り出したり、窓から屋根に出たりはしないでください。見えないところは、見えないままで構いません。
確かめるために屋根に上がらない
屋根の状態を確かめるために、ご自分で屋根に上がるのはおすすめしません。雪のない季節でも、瓦の屋根は足元が安定せず、はしごの上り下りにも危険があります。
雪下ろしの作業そのものについて、国土交通省は、除雪作業中の事故の要因として最も多いのは屋根からの転落事故だとしています。そのうえで「雪下ろし安全10箇条」として、安全な装備で行う(命綱・ヘルメットなど)、はしごは固定する、作業は2人以上で行う、雪下ろしのときは周りに雪を残す(落下した場所に積雪があると被害を軽減できる場合があるため、住宅周りの除雪は雪下ろしのあとに行う)、などの注意事項を取りまとめています(出典:国土交通省「雪下ろし安全10箇条~除雪作業中の事故に注意しましょう~」/2026年9月確認)。この冬も雪下ろしをする予定がある方は、雪が降る前に一度、全文に目を通しておいてください。
屋根の点検はいつ頼む?
当コラムの整理では、点検を頼みやすい時期は「雪が消えたあとの春」と「雪が降る前の秋」の2回です。どちらか一方でも、見ておく意味があります。賃貸住宅にお住まいの場合は、屋根の点検や修理は建物の持ち主が手配するものなので、気になる所はまず大家さん・管理会社に伝えてください。
▶ 雪が消えたあと(春)
冬のあいだに起きた傷みを、そのまま確かめられる時期です。雪下ろしのあとで気になっていた所や、冬の終わりに出た天井のシミがあれば、この時期に原因を探すと、雪の影響かどうかを判断しやすくなります。
▶ 雪が降る前(秋)
春に見そびれた場合は、雪の前に一度見ておくと、傷みを抱えたまま次の冬を迎えずに済みます。補修が必要になっても、屋外の工事は雪が降る前のほうが日程を組みやすくなります。
もう一つ、秋のうちに地上から屋根の写真を撮っておくことをおすすめします。上の表の場所を、毎年同じ位置から撮っておけば、次の春に「この冬で変わったのか、前からそうだったのか」を見比べられます。
「屋根がずれていますよ」と訪ねてきた業者には
突然訪ねてきた業者に屋根の点検をすすめられても、その場で屋根に上げない、その場で契約しない。これがいちばんの備えです。
国民生活センターは、「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と言って点検した後、不安をあおって工事の契約をする手口を「屋根工事の点検商法」として注意を呼びかけています。消費者へのアドバイスとして、「突然訪問してきた業者には安易に点検させないようにしましょう」「屋根工事はすぐに契約せず、十分に検討したうえで契約しましょう」などを挙げています(出典:国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-」/2023年10月公表)。
雪のあとは屋根の傷みが気になりやすく、こうした訪問の言葉に不安をかき立てられやすい時期でもあります。すでに訪問販売で契約してしまった場合のクーリング・オフについては、リフォームの見積書の見方をまとめた記事の後半で整理しています。迷ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センターなどの相談窓口につながります。
雪で傷んだ屋根と火災保険
雪による屋根の傷みは、加入している火災保険で補償されることがあります。日本損害保険協会は、すまいの保険(火災保険)には、大雪などの雪災による損害について、一定額以上に達するものであれば補償の対象とする商品があると説明しています(出典:日本損害保険協会ホームページ「風水雪災等による損害を補償する損害保険」/2026年9月確認)。補償されるかどうか、いくらから補償されるかは契約によって違うので、まずは保険証券を見て、加入している損害保険会社か代理店に問い合わせてください。
あわせて気をつけたいのが、「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」と勧誘する業者です。国民生活センターは、こうした住宅修理サービスの相談について注意を呼びかけ、「申請サポート会社に頼らずとも、保険金の請求は加入者自身で行えます」「うその理由で保険金を請求することは絶対にやめましょう」としています(出典:国民生活センター「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」/2021年9月公表)。日本損害保険協会も先ほどのページで、「保険金が使える」と言って勧誘する業者については、住宅の修理を業者と契約する前に、契約している損害保険会社または損害保険代理店へ相談するよう呼びかけています。保険が使えるかどうかは、修理の契約をする前に確かめておきましょう。
雪のあとの屋根のよくある質問
▶ Q. 瓦が1枚ずれているだけでも、直したほうがいい?
A. すぐに雨漏りするとは限りませんが、ずれた所から雨水が入りやすくなり、次の雪や強風でさらに動くこともあります。見つけたら、雪の前に一度見てもらうと判断がつきます。見たうえで「まだ大丈夫」ということもあります。
▶ Q. 雪止めは付けたほうがいい?
A. 雪止めは、屋根の雪が一度に滑り落ちるのを抑える金具です。落ちた雪が隣の家や通路、車に当たる心配がある家では役に立ちます。一方で、雪が屋根に残るぶん、屋根にかかる重さは続きます。家の建ち方やまわりの状況で向き不向きが分かれるので、現地を見て考えるのがおすすめです。
▶ Q. 天井のシミは、必ず屋根が原因?
A. そうとは限りません。外壁のひび割れやベランダの防水が原因だったということもあります。屋根だけを直しても止まらない場合があるので、原因の切り分けから始めます。ベランダまわりについては防水工事のページも参考にしてください。
新和工業はうすりぺいるの屋根の点検
当社は、瓦の屋根の工事に対応しています。ずれや割れの補修、漆喰の詰め直し、棟の積み直し、葺き替えまで。瓦以外の屋根のご相談も承ります。
- 雪おろしのあと、強風のあとなど、心配な時期の点検だけでもご相談ください
- 写真だけで「葺き替えが必要です」とは言いません。実際に確認し、どこがどうなっているかを写真でお見せしたうえでご説明します
- 訪問業者に「屋根がずれている」と言われて不安なときも、当社が確認して、状態をそのままお伝えします
- まずは、屋根に上がらずに撮れる範囲の写真をLINEで送っていただくだけでも構いません
新和工業はうすりぺいるは、ハウスクリーニングから内装、屋根・防水・塗装まで、外注に出さず自社の職人が施工しています。天井のシミの原因が屋根以外にあった場合も、同じ窓口のまま見ていけるのが1社でまとめて受けられる利点です。富山県全域に対応しています。屋根の工事の詳しい内容は屋根瓦工事、ご依頼の進み方は施工の流れのページにまとめています。
出典:国土交通省ウェブサイト「雪下ろし安全10箇条~除雪作業中の事故に注意しましょう~」および同チラシ「雪下ろし安全10箇条」/国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)「保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!」(2021年9月2日公表)/日本損害保険協会「風水雪災等による損害を補償する損害保険」。いずれも2026年9月21日確認。本記事の該当部分は、これらをもとに新和工業はうすりぺいるが要約・編集して作成したものです。保険の補償内容は、ご加入の損害保険会社・代理店でご確認ください。
屋根の点検・補修のご相談
富山県全域対応|掃除から屋根まで1社でまるごと|相談は無料です(点検・調査に費用がかかる場合は、事前にお伝えします)
☎ 076-461-7958
受付 9:00〜18:00/日曜・祝日休(土曜は営業)
